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『賃貸併用住宅』の魅力と懸念事項

 最近耳にする『賃貸併用住宅』は大きな魅力がありますが、懸念事項もあります。今回はその点を確認していきます。

▼賃貸併用住宅の魅力

住宅ローンの借入ができる

 賃貸併用住宅は、住居部分の購入価格に住宅ローンを適用することが可能です。住宅ローンは、金利が低く税制上も優遇された、メリットの多いローンになります。


住まいと賃貸収入を同時に取得

 賃貸収入を得ながら、住まいを手に入れることが可能です。これにより、賃貸収入をローンの返済に充てることができ、返済負担が軽減されます。


住宅の優遇税制が受けられる

 住宅部分には、住宅ローン控除やマイホーム特例(住宅部分の売却益について3千万円の特別控除)といった所得税の優遇税制が受けられます。相続税についても、住宅・賃貸の各部分の評

価に優遇措置があります(右図参照)。


▼賃貸併用住宅の懸念事項

空き室によるダメージが大きい

 賃貸専用でも懸念される空き室リスクですが、併用住宅では特に「住宅を建てたい」という状況から検討が始まることが多く、賃貸の需要と結びつかない立地であるにも関わらず安易に賃貸併用住宅を選択してしまい、空き室リスクが高まるケースがあります。賃貸収入がなければ、住宅と賃貸部分両方のローン返済を、自己資金から行わなければなりません。


買い手がつきにくい

 賃貸併用住宅は、買い手が見つかりにくいことが一般的です。いざという時に売却で撤退するという手段が取りにくいことは、覚悟しておく必要があります。


住宅部分の床面積に注意

 住宅ローンの対象となる併用住宅は、住宅部分が占める割合に下限があります。例えばフラット35では、住宅部分の床面積が全体の2分の1以上必要です。住宅ローン控除についても同様となります。この条件から、得られる賃貸収入にはおのずと限界が生じます。

 賃貸併用住宅は、賃貸経営がうまくいくからこそ魅力的なスタイルです。一般的に、住宅街にある広めの土地をお持ちの方に向いています。検討されたい方は、専門家に相談しましょう。


ファイナンシャルプランナー 石田夏

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