▼令和4年度税制改正の内容
住宅ローン減税の対象者が、令和4年~令和7年の入居者に拡大されました。この期間中の入居者には、税制改正後の新しい制度が適用されます。
新しい制度では、カーボンニュートラルの実現に向けた省エネ性能の高い住宅取得の促進や、中古住宅の有効活用が重視されています。主な改正点は、次のとおりです。
▽減税率が0.7%に減少
近年の低金利を考慮して、減税額がローン残高の1%から「0.7%」に減少しました。
▽住民税の減税限度額引き下げ
減税額のうち、所得税から減額しきれなかった分は住民税から減額されますが、その限度額が13万6千5百円から「9万7千5百円」に減少しました。
▽買取再販住宅が新築と同区分に
買取再販住宅にあたる住宅が、新築住宅と同じ控除区分になりました。買取再販住宅とは、既存の住宅のうち、宅地建物取引業者によって一定の増改築等が行われたものをいいます。
▽省エネ住宅の新区分導入
減税額の計算対象となる住宅ローンには限度額があり、住宅の性能に応じて上乗せされます。上乗せ対象となる住宅に、ZEH(ゼッチ)水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅が加わりました。
取得する住宅が新築(未使用の建売住宅を含む)、買取再販の場合、改正後の住宅ローンの上限額は次のとおりです。
(※1)認定住宅…認定長期優良住宅、認定低炭素住宅の総称。
(※2)ZEH水準省エネ住宅。断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上の住宅。
(※3)省エネ基準適合住宅…断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上の住宅。
(※4)令和5年末までの建築確認など要件あり。
▽中古住宅は要件緩和と省エネ区分の導入
中古住宅の築年数要件が、新耐震基準適合住宅(昭和57年以降に建築された住宅)であることに緩和されました。また、新築等と同様に、住宅の省エネ性能に応じた限度額の上乗せが導入されました。
▽合計所得金額の限度額引き下げ
住宅ローン減税を受ける本人の合計所得金額の上限額が、3千万円以下から2千万円以下に引き下げられました。
▽控除期間「13年」の対象見直し
原則は10年ですが、新築・買取再販住宅(「その他」は令和5年入居まで)は13年になります。
▽床面積「40㎡台」の対象見直し
原則は登記簿上50㎡以上ですが、新築住宅(令和5年末までの建築確認)であり、合計所得金額1千万円以下の方は「40㎡~50㎡未満」の住宅でも減税対象になります。
▼住宅ローン減税の注意点
住宅ローン減税には、他にも入居時期やローンなどに関して必要な条件があります。また、令和4年中の入居者の中には、コロナ税特法によって改正前の内容(控除率1%など)を適用できる方がいます。
詳しくは国税庁のWebサイト、税務署・税理士にご確認ください。
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