▼改正空家対策措置法がスタート
令和5年12月23日、「空家対策特措法」の改正法が施行されました。改正法には、放置すれば「特定空家」に至るおそれのある「管理不全空家」に対しても「固定資産税等の住宅用地の特例」の解除を可能とする手続きが盛り込まれています。
親などが亡くなり、意図せず空き家になってしまった「相続空き家」についても、管理を怠れば改正法の対象になり得ます。
特例の解除を受ければ固定資産税が6倍になるケースもあることから、空き家やその土地の処分等を決断しなければならない相続人が増えていくと考えられます。
▼改正のポイント
「空家対策特措法」とは、増加する空き家に対応するため、平成27年5月26日に全面施行された法律です。主に「特定空家」として、例えば倒壊などの危険性が高い空き家などに対する措置が定められました。
しかし、特定空家に至ってからの対応には限界があるとされたことから、今回の改正では、特定空家に至る前段階の「管理不全空家」が創設されます。「管理不全空家」に対し、市区町村は指導や勧告をすることが可能となり、それで改善されない場合は、その敷地にかかる固定資産税・都市計画税の特例の解除ができるようになります。
【管理不全空き家とは】
放置すれば特定空家になるおそれのある空き家をいいます。画像は国土交通省によるイメージ図です。
【特定空き家とは】
倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態、著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態の空き家をいいます。
▼空き家の放置で税金が6倍に
空き家であっても、その家屋と敷地には固定資産税や都市計画税が発生し続けます。しかし、住宅の敷地であれば、その敷地の課税標準が、固定資産税で6分の1、都市計画税で3分の1に圧縮される特例があります。
もし空き家の敷地( 200㎡以下)の固定資産の価格が300万円であれば、固定資産税は7千円、都市計画税は3千円になります。
固:300万円×1/6 ×1.4%
都:300万円×1/3×0.3%
(※)税率は自治体によって異なる場合があります。
しかしその空き家が「特定空家」に該当する場合や、「管理不全空家」に該当しながら改善をしなかった場合、右の特例の適用対象から除外されます。そのため、空き家を放置すると税金が上がるケースがあるのです。右の例であれば、税金は次のとおり6倍、3倍になります。
固:7千円 ⇒ 4万2000円
都:3千円 ⇒ 9000円
▼相続した家屋を「管理不全空家」にしないために
相続などで空き家を所有している方は、その空き家が「特定空家」や「管理不全空家」に該当しないように、適切な管理を心がけつつ、売却や賃貸を検討しましょう。
売却の際は、譲渡所得の計算を有利にする相続空き家の特例や相続税の取得費加算の特例を適用できる可能性があります。(併用は不可)
一級FP技能士 石田夏
Comentarios