集合住宅で起こりやすい入居者間のトラブルの1つに騒音トラブルがあります。在宅時間の増加に伴い生活音のトラブルは増加傾向にあります。
生活音が起こる原因を知ることで入居者への注意喚起やトラブル防止に役立てられます。今回は、騒音の種類別に対策方法を紹介します。
▼家電製品による音や振動
騒音対策をする上で、まず知っておきたいのは、騒音の原因となるのは音だけではないことです。振動も壁や床を伝わって騒音になることがあります。
モーターがついている家電製品は振動が起きやすいので注意が必要です。特に洗濯機や掃除機は使用する時間帯に配慮することが必要です。
▼家の設備や家具による音と振動
ドアの開閉音は、玄関だけでなく室内のものであっても響きやすいです。ドアは勢いよく閉まらないようにきちんとドアノブを持ってゆっくり閉めることが重要です。
ドアの開閉音についてはすき間にクッション性のあるテープを貼ることで対策できます。
また、室内の部屋が引き戸で分かれている場合は、開閉音が階下に振動として伝わりやすいので注意が必要です。
テーブルや椅子を引く音も同様に響きやすいので、脚にキャップをする、なるべく持ち上げて移動させるなどするとよいでしょう。
▼TVやオーディオ機器の音
TVや音楽など、音を聞く際には音量を大きくしすぎないことが第一です。
特に深夜の周りが静かな時間帯では、常識の範囲の音量であっても騒音と認識されてしまうことがあります。
隣の住戸と接する壁側テレビやオーディオ機器を設置する場合はできるだけ距離を離し、深夜はイヤホンやヘッドホンを推奨するとよいでしょう。
▼その他の生活音
最近ではオンライン飲み会での大声も騒音クレームになっています。涼しい時間帯であっても窓を開けて大声で話すことがないように注意する必要があります。
自宅で行えるという気軽さから、つい深夜まで長引いてしまいがちですので、22時以降は特に注意してもらう必要があります。
騒音トラブルは、入居者自身が周りに迷惑をかけてしまっていることに気付いていないケースが多いです。対策としては、苦情時に全戸ポスティングや掲示板の貼り出しなどを行います。
不満退去や優良な入居者の退去を防ぐためにも、対応は重要です。入居時に騒音が起きる原因や対策を記した「暮らしのしおり」を配布することも有効です。
生活騒音は法律の規制がありません。もしトラブルが起きた場合には、家主や当事者間で解決するのではなく、管理会社に間に入ってもらうようにしましょう。
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