東京のオフィス空室率1.5% 世界主要都市と比べ低水準

東京のオフィス市場で、空室率の低下が続いています。不動産サービス大手のCBREが2026年1~3月期に世界20都市を対象に調査した結果、東京のオフィス空室率は1.5%と公表されました。ニューヨーク12.0%、ロサンゼルス21.6%、パリ10.3%、北京18.5%などと比べても低く、世界の主要都市の中でも東京の高稼働が際立っています。
▼出社回帰が需要を押し上げ
東京では、新型コロナウイルス禍で一時的にオフィス需要が落ち込んだものの、その後は出社回帰が進みました。オフィスの建築設計などを手がけるゲンスラーによると、世界の出社率が54.8%であるのに対し、日本は58.8%と高くなっています。
これはコロナ禍の遠隔勤務を経て、対面でのコミュニケーションや人材育成を重視する企業も増えており、こうした動きがオフィス需要回復の一因になっているとみられます。研修や打ち合わせができるスペースなど、単に働く場所としてだけではなく、人が集まることで価値を生み出すオフィスが求められているようです。
▼需要回復に加え、新規供給も限られる
東京のオフィス空室率が低下している背景には、出社回帰に加えて、建築費の高騰や人手不足によって新規供給が限られていることも、要因となっています。
実際、大手不動産会社の三鬼商事によれば、東京都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)の空室率は2026年5月時点で2.07%まで低下し、賃料も28カ月連続で上昇したとしています。企業の館内増床や分室開設などによって空室が消化され、入居者を募集しているオフィスも減少しています。さらに賃料上昇の影響もあり、予算に合う移転先を確保しにくいケースも出ています。
▼賃貸経営に通じる「市場を見る」視点
こうしたオフィス市場の動きは、賃貸住宅のオーナーにとっても参考になります。空室率は物件そのものの条件だけで決まるものではなく、働き方や人口動態、企業の動向、地域開発など、社会全体の変化にも左右されます。
賃貸経営でも、自身の物件だけを見るのではなく、地域でどのような需要が生まれているのか、競合物件がどの程度供給されているのかといった市場全体の動きを捉えることが重要です。こうした変化を把握することが、募集条件や設備などを見直す際の判断材料にもなります。




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