繁忙期に向けた効果的な空室対策を「共用部編」「設備編」「条件編」の3回に分けてお届けしています。
最終回となる今回は「条件編」です。内見・入居条件を適切に見直し、空室対策につなげていきましょう。
▼家賃設定や初期条件の緩和
家賃は近隣の競合物件などを参考に適正価格を設定しましょう。
近年ではあらかじめポータルサイトなどで物件の候補を絞ってから不動産会社を訪問するパターンが多くなっています。検索にヒットするように敷金・礼金はなるべく設定しないことをおすすめします。
また、内見後の即決を促すためには、初月フリーレントや成約時の設備交換といった特典を用意することも有効です。
契約開始日を3月で承諾すれば、上京する学生を早期に獲得でき、卒業に伴い退去する学生との間に生じる空室期間を短くできます。近年は推薦入試で12月までに進路が決まるが学生が増えていて、早い時期から家探しをする傾向があります。
▼入居者の条件の緩和
入居条件として、ペット不可や楽器不可、外国人不可などの条件を設定する物件は多くあり、確かにこれらの条件を緩和すれば入居率は高まるでしょう。
しかし、空室対策のために入居条件の緩和ばかり行うと既存入居者からの不満が出たり、かえってトラブルが発生したりして失敗をしてしまうケースがあります。
ペット可にするなら敷金の増額を、楽器可にするなら防音のためのリフォームを行う、外国人入居を認めるなら家賃保証会社の利用の必須と日本語での会話ができる人に限定するなどの対策をセットで考えると良いでしょう。
▼入居者満足で退去を防ぐ
空室を防ぐためには、入居中の住民の不満退去を防ぐことも有効です。そのためには、入居中の満足度を高めることが重要です。
更新料の見直しや居住年数に応じた値引きを行う事で長く住めばメリットがあるといった印象を持ってもらうことも有効策です。
また、宅配ボックスの導入や更新時のエアコン入替えや清掃などのサービスを実施し、物件の不満を解消し、満足度を高めていくことも大切なことです。ぜひ入居中だから放っておけばよいと考えず、退去を防ぐ方法を探っていきましょう。
退去があれば最低でも1か月ほどは空室となり、その分の家賃収入はなくなります。空室リスクを下げるためには、入居希望者を増やす施策だけでなく、住み続けてもらうための施策も検討するとよいでしょう。
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