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不動産取引時に水害ハザードマップの説明を義務化

 2020年7月、国土交通省は「不動産取引時において、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明を義務化」すると発表しました。

 不動産の契約を行う際には、事前に宅地建物取引士によって重要事項説明書を交付し説明する義務があります。

 この重要事項説明書に「ハザードマップにおける取引対象物件の所在地」という項目が追加される事になります。


▼ハザードマップの説明を義務化した背景

 2020年7月3日に熊本県を中心に発生した集中豪雨「令和2年豪雨」や、2019年9月の「台風15号・19号」、同年8月の「九州北部豪雨」等、大規模な水害が頻発しています。

 近年の大規模な水害の発生状況から、不動産購入への意思決定を行う上では、水害リスクの情報は重要な要素と言えます。

 これから、夏以降、ゲリラ豪雨や台風シーズンの到来となるタイミングの前に、正式に重要事項説明書の項目に追加することにしたと考えられます。


▼改正の概要

①宅地建物取引業法施行規則

 宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)においては、宅地又は建物の購入者等に不測の損害が生じることを防止するため、宅地建物取引業者に対し、重要事項説明として、契約を締結するかどうかの判断に多大な影響を及ぼす重要な事項について、購入者等に対して事前に説明することを義務づけていますが、今般、重要事項説明の対象項目として、水防法(昭和24年法律193号)の規定に基づき作成された水害ハザードマップにおける対象物件の所在地を追加します。


②宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方(ガイドライン)

 前述①の改正に合わせ、具体的な説明方法等を明確化するために、以下の内容等を追加します。

  • 水防法に基づき作成された水害(洪水・雨水出水・高潮)ハザードマップを提示し、対象物件の概ねの位置を示すこと

  • 市町村が配布する印刷物又は市町村のホームページに掲載されているものを印刷したものであって、入手可能な最新のものを使うこと

  • ハザードマップ上に記載された避難所について、併せてその位置を示すことが望ましいこと

  • 対象物件が浸水想定区域に該当しないことをもって、水害リスクがないと相手方が誤認することのないよう配慮すること

▼施行日

 本制度は令和2年8月28(金)より施行されます。

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