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不動産取得税(住宅用)の軽減特例

▼不動産取得税

 不動産取得税とは、不動産を取得(売買、新築、交換、贈与などで取得)したときにかかる、都道府県が徴収する税金です。

 都道府県が税額を計算するため、どのようにして税額が決まるのか、あまり知られていない税金でもあります。


不動産取得税 = 固定資産税評価額 × 4%

 (住宅用の土地・建物は3%)

 住宅用の不動産には、3%の税率が適用されます。また、宅地(宅地として評価されている土地)は、課税標準額が1/2になります。(いずれも令和6年3月31日の取得まで)

 しかし、不動産はそもそも高額なので、固定資産税評価額(一般の取引価格の5割~7割程度)を計算の基礎にするといっても、まともに課税されれば非常に重い負担になってしまいます。

 そこで、都道府県に申告することで使える、住宅用不動産の特例を利用します。新築の取得であれば、賃貸用住宅にも使うことができます。


▼不動産取得税の軽減特例

 不動産取得税は、建物・土地それぞれで計算します。建物の場合、一定の床面積要件を満たす住宅には課税標準額を減額する特例が、その敷地である土地には税額を減額する特例があります。土地は特例を使えば、ほぼ税負担はありません。


▽住宅用建物の特例

【新築住宅を取得した場合】

 一戸(共同住宅については独立区画ごと)につき、課税標準額から1,200万円を控除できます。(新築の認定長期優良住宅は1,300万円)


【適用要件】

 床面積が50㎡(貸家用なら40㎡)以上240㎡以下であること。

 共同住宅は専有部分で判定しますが、共用部分の床面積を按分して専有部分の床面積に加算することができます。

【中古住宅を取得した場合】

 耐震基準に適合する、自己居住用の中古住宅の取得であれば特例の対象になります。

 控除額は、平成9年4月以降の建築であれば、1,200万円ですが、それより前になると、段階的に下がります。


▽住宅用土地の特例

 次のAとBのいずれか大きい額を不動産取得税の額から控除できます。

A:45,000円

B:1㎡あたりの固定資産税評価額×50%×床面積×2(200㎡まで)×3%


【適用要件】

 床面積要件を満たしている住宅の敷地であること。建物との同時取得ではない場合(例:土地を先に買って住宅を新築する場合など)でも使えます。

 ただし、取得するまでの期間が長いと、特例が使えなくなることがあります。土地と建物の取得の順序などで期限が変わるため、都道府県税事務所に先に要件を確認しておきましょう。


▼軽減特例は申告が必要

 特例を受けるには、都道府県税事務所への申告が必要です。都道府県が指定する様式で申告書を作成し、持参か郵送で提出します。

 このとき、要件を満たしていることが確認できる一定の書類の添付も必要です。


▽申告には期限があります

 申告期限は、都道府県ごとに条例で決められています。

 かなり短い期限が設定されている場合もあり、税額の通知を受けて初めて不動産取得税の存在に気付くケースもあります。

 その場合でも、早めに都道府県に連絡を取り、特例について相談をしてください。


一級FP技能士 石田夏


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