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家主と入居者を守る火災保険 その補償範囲やオプションを解説

▼火災保険の補償対象

家主が損害保険でカバーすべきリスクには「建物の損害」「賠償責任」「経済的損害」があります。これらの補償は家主向けの火災保険で賄うことができます。火災に限らず、天災や偶発的な事故による建物の損害補償や、特約(オプション)で、家主ならではの支出や賠償責任による経済的ダメージを防ぐこともできます。


▽入居者だけ加入してもダメ

「入居者が火災保険に入っていれば家主は居住部分の補償をしなくてよい」は誤解です。

 入居者の火災保険で補償されるのは入居者の家財や入居者の過失による家主への損害賠償の部分に限られます。天災や偶発的な事故から建物を守るのは家主の役割なのです。


▼主契約で補償されるもの

 火災以外で、主契約によって補償される災害や事故は次のとおりです。

  • 災害:落雷、風災、雪災、ひょう災、水災

  • 事故:破裂・爆発、水濡れ、不測かつ突発的な事故

・水濡れの例

 給排水設備からの漏水によって建物や入居者に損害を与えた

・不測かつ突発的な事故の例

 車の飛び込み、飛来物・落下物の衝突、窃盗犯による損壊など


▽水災なしを選べる商品に注目

 近年、豪雨等による保険請求の増加によって住宅の火災保険料の引き上げが一部で行わ

れるなど、水災の補償をどう考えるかが今後の火災保険選びのポイントになります。注目は水災の補償の有無が選べる商品です。

 水災の補償対象になるのは「再調達価額の30%以上の損害が発生した場合」または「床上45センチを超える浸水」の被害に限定されている商品が多いため、すべての水害が補償されるわけではありません。これを超える被害が予想される物件で検討すべきです。

 被害予想は「ハザードマップ」が参考になります。これは雨で河川が氾濫した際、どのくらいの浸水が発生するかを市区町村が想定したものです。一般的に50センチまでの浸水が一階床下までの浸水とされています。これを目安に水災の補償があるプランを検討するとよいでしょう。

 ハザードマップは市区町村のHPで確認できます。


▼オプションで補償できるもの

▽建物賠償責任

 建物管理の不備で、入居者や通行人等の身体や財産に損害を負わせたときの賠償です。数千万円~1億円のプランが一般的になります。


▽家賃収入補償

 建物が損傷したとき、復旧するまでの間の家賃の損失を補償する特約です。3ヶ月~一年ほどの補償期間を選べるプランが多いです。


▽家主費用特約

 入居者の室内での死亡で、空き室になった家賃の損失や部屋を復旧させるための清掃費用等を補償する特約です。


▽地震による損害は地震保険

 地震・噴火による火災や津波による被害は、地震保険でしか補償されません。

※一般的な商品について執筆しています。具体的な補償内容は個別にご確認下さい。


一級FP技能士 石田夏

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