平成27年度の税制改正以降、課税割合も上昇し、相続税のご相談が増えたなぁと実感します。
また、相続税対策を謳うセミナーも増えていますね。
しかし、「対策」のセミナーは多くても「仕組み」のお話をしているセミナーは多くありません。仕組みを知ることで、対策の理解もグッと深まります。
皆様は、今後も数多くの相続セミナーにご参加されることでしょう。その際に、今まで以上により多くの実りを得られます様、今月は相続税の仕組みについてお話し致します。
▼相続税の計算STEP
相続税を計算する際には、次の3STEPが必要です。
①財産と基礎控除額の把握
②相続税の総額の算出
③各人の納税額の算出
▼STEP① 財産と基礎控除額の把握
相続税申告が必要となる方は、原則『資産−債務等−基礎控除額』がプラスとなる方です。このプラスの金額について、相続税が課税されます。マイナスの方は、申告不要です。なお、基礎控除とは、ここまでの財産額なら相続税申告が不要、というボーダーラインのことです。
▼STEP② 相続税の総額の算出
例えば、相続税の速算表を見ると財産額3億円以上の税率は50%と記載されています。そのため、「私は財産総額が4億円あるから50%も税金がかかる!」と間違って理解されている方が多いです。
込み入った話になりますが、正しい計算手順は次のとおりです。
・課税遺産総額を法定相続人が法定相続分で按分
・右記で算出した金額を相続税速算表に当てはめて各人の税額を算出
・各人の税額を合算して相続税の総額を算出
▼STEP③ 各人の納税額の算出
このSTEPでは、相続税の総額を各人が納付すべき税額に振り分けます。
具体的には、相続税の総額を、取得した財産の割合で按分します。その後、税額控除と呼ばれる各種控除を行い納税額を確定させます。左記の図がわかりやすいので、ご参考下さい。
是非一度、皆様も計算してみて下さい。
税理士法人アイユーコンサルティング 関東事務所長・税理士 出川裕基
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