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賃貸住宅の建築目的は、土地活用が主


 「親から相続した土地がある」「子どもと同居するため古い自宅を取り壊して更地にした」といった理由で、自ら使用しない土地がある場合、その土地をどう活用すればよいでしょうか。

 全国賃貸住宅新聞が建築会社に対して行ったアンケート調査によると、令和2年4月~令和3年3月までに完工した賃貸住宅の建築のうち、土地活用のために行われたものが91%以上を占めると回答した建築会社は、回答した115社のうち54%でした。これより賃貸住宅の建築を、土地活用のために行う人が多いことがわかります。


▼土地活用のメリット

 使用しない土地を放置すると、管理費用だけが延々と発生しますので、賃貸して収益化したほうが得です。

 特に不動産賃貸による収入はいわゆる不労所得ですので、老後の備えとして、現役時代から副業で始める方もいます。もちろん賃貸住宅の建築に限らず、駐車場経営や、商業ビルの建築などでも同じメリットがあります。


▼賃貸住宅を建築するメリット

 住宅は人の生活に欠かせないものであることから、賃貸用でも、税金面でさまざまな優遇措置が受けられます。


▽不動産取得税の減額

 不動産の建築・購入などで新たに

所有権を得た者に課される税です。通常、「課税標準(≒固定資産税評価額)×3%又は4%」で計算されますが、賃貸住宅の新築であれば一戸(床面積40㎡以上)あたり、1,200万円の控除が受けられる上、適用される税率も3%になります。


▽固定資産税・都市計画税の減額

 毎年1月1日時点の土地や建物の所有者に課される税です。通常、「課税標準(≒固定資産税評価額)×税率」で計算されます。税率は、固定資産税1.4%、都市計画税0.3%で、自治体によって若干異なる場合があります。


【土地】更地のままで土地を所有していると、右記の税が発生しますが、そこに賃貸住宅を建築すると、その課税標準が、固定資産税で1/3、都市計画税で2/3(いずれも一戸あたり200㎡までの部分はさらに半分)に減額されます。

【建物】新築の賃貸住宅(一戸あたりの床面積40㎡以上)は、建物に応じて

3年分・5年分・7年分の固定資産税額が1/2に減額されます。


▽相続税対策にもなる

【土地】宅地の相続税評価額は、通常、「路線価×補正率×地積」で計算されますが、賃貸住宅が建てられている場合、この額から「借地権割合(30%~90%)×借家権割合(30%)×賃貸割合(賃貸中の床面積が占める割合)」に相当する額を控除して評価します。

【建物】建物の相続税評価額は、通常、「固定資産税評価額×1.0」ですが、賃貸住宅の場合、この額から「借家権割合(前同)×賃貸割合(前同)」に相当する額を控除して評価します。

【債務控除】賃貸住宅の借入金ごと相続した場合、相続財産から、相続した借入金の額を控除して相続税を計算できます。

一級FP技能士 石田夏

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