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賃貸経営に必要な法定点検!【建物設備・電気】編

 賃貸経営に必要な法定点検について、今回は「建物設備」と「電気設備」についてご紹介します。入居者の暮らしの安全を確保するためには大切な制度です。この機会に確認しておきましょう。


▼建物設備に関する点検

 建築基準法第2条で定められる「特殊建築物」に該当するマンション・アパートなどの共同住宅は、建築設備の定期点検が必要です。該当する建築物の基準は都道府県によって異なりますが、一例として東京都では「階数が5階以上かつ延床面積が1,000㎡超」埼玉県は「6階以上」の共同住宅とされています。点検項目は次の通りです。


  1. 建物設備:換気設備・排煙設備・非常用の照明装置・給水設備および排水設備・エレベーター設備(1年以内毎

  2. 建築物の敷地・構造:敷地の状況調査・構造強度点検・耐火構造の調査・避難施設等の状況調査(3年以内毎


 建物に不特定多数の人の往来がある場合、換気や排煙設備の運転確認には、定期点検が欠かせません。非常用出口を示すような照明設備も停電時などに正常運転するか点検が必要です。エレベーター設備の不具合は大きな事故につながるリスクがあるため、点検時には消耗品の交換なども大切です。


 建築物の敷地・構造に関しては、敷地の地盤沈下が起きていないか、擁壁に異常を示すようなヒビ割れがないか、また、建築物の基礎・柱・壁・屋根等の構造強度に問題がないか点検します。外壁タイルの浮きなどがあると、将来的に落下の危険がありますので、事故を未然に防ぐためにも気になる部分は安全確認が必要です。

 階段など共用部分は避難施設でもあるため、十分な強度を確保する必要があります。腐食による階段や踊り場の落下事故が起きないようにしっかりと点検しましょう。


▼電気事業法に関する点検

 電気設備は、マンション等の各住戸に設けられているような一般的な家庭用の配電設備は、電力会社が保安業務を行うものとされていますが、次に挙げる設備は自主点検が義務化さています。

  • 自家用電気工作物:屋外型の高圧受電装置(600V超)

    (日常点検は1カ月毎・定期点検は1年毎・精密点検は3年毎


 マンション等の共用設備で使用される電気設備が自家用電気工作物に該当する場合は、自主点検による保安・保安が必要です。

日常点検では目視や触覚などで異常判定をし、定期点検では測定器等を使用した動作確認をします。精密点検では、主要機器の分解点検なども行います。

 専門的な知識が必要になるため、点検・報告は「電気主任技術者」であることが求められます。有資格者がいない場合は、資格者が在籍する専門事業者に委託することになります。


 2回に渡り、賃貸経営に必要な法定点検についてご紹介しました。入居者の安心・安全な暮らしを守るために、法律で定められた点検は必ず行うようにしましょう。



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