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電子契約の全面解禁、重要事項説明書と賃貸借契約書の書面の交付が不要に

 国土交通省は、宅地建物取引業法改正の施行を2022年5月18日から行うと発表しました。

 このことにより電子契約が全面解禁され、従来必須だった重要事項説明書と賃貸借・売買契約書の紙での交付、宅地建物取引士の押印が不要となり、オンラインでの契約完結が可能になりました。


▼不動産会社の対応

 従来でも書類の郵送を行うことで部分的に契約の簡素化は行われていました。しかし、今回の法改正により実際に業者と対面することなく、完全にオンラインのみでの契約が可能になります。

 不動産業者においては書類作成にかかる時間や、郵送コスト、書類に貼りつける印紙代、書類の保管コストなどが削減でき、スピーディな契約締結とコスト削減につながります。

 一方で、オンラインで契約完結をするためには社内の業務プロセスの見直しが必要です。これまで紙の書類で対応してきたものを電子化し、契約者がオンライン上で記入ができるツールの導入が前提になります。

 重要事項説明書もオンラインで交付できるようになるため、ビデオ通話ツールなどを活用して口頭で説明できる体制を整えておく必要があります。


▼借主側のメリット

 オンラインでの契約は、家探しをする借主側にもメリットがあります。

 コロナの影響で一気に広がったオンライン内見との組み合わせによって、実際に不動産会社に行くことなく、物件の選定から契約までできるようになります。

 特に入学や就職に伴い遠方からの引っ越しを予定している方にとっては、時間や移動費用の削減につながり、家探しがしやすくなります。


▼セキュリティの整備が必要

 新たに電子取引を行うにあたってはセキュリティの確保には細心の注意が必要です。電子契約書の送付や保管には、ネットワーク上の脅威がつきものです。オンライン契約にあたって不動産業者には、電子データの暗号化やサーバーの強化といったセキュリティの担保が求められます。


▼今後の動向

 電子契約が全面解禁されても、すべてのやり取りをすぐに完全オンラインにするのは難しく、基本的には顧客の要望に合わせることになります。

 今後どの程度オンライン化が進むのかは、しばらく動向を見守る必要がありますが、Webで選ばれる部屋作りは、オーナーにとってますます重要なポイントになりそうです。

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