国土交通省は2022年1月1日時点の公示地価を発表しました。
全国平均・地方圏ともに2年ぶりに上昇、3大都市圏でも0.7%上昇し、全国平均を上回りました。
商業地に限ると東京圏と名古屋圏が上昇に転じたのに対し、大阪圏は横ばいにとどまりました。訪日客需要に依存していた繁華街や観光地に、にぎわいが戻っていないことが原因とみられています。
▼東京圏
東京では商業地が0.7%の上昇、住宅地は0.6%上昇しました。
商業地では23区中20区が上昇し、23区内の上昇率のトップは再開発が進む中野区でした。住居に近接する店舗で買い物をする需要の高まりから、1~2階を店舗や事務所とし、上層階をマンション利用できる地点が多い杉並区と荒川区の上昇率が2位、3位と続いています。
一方で飲食店やオフィスが集まる中央区、千代田区、港区では新型コロナウィルスの影響で、飲食や観光の客足が戻りきってないことから、下落が継続しています。
住宅地は23区全体が上昇しました。住宅需要が好調な港区と目黒区は上昇率が拡大しています。
▼大阪圏
大阪府の商業地は0.2%の下落、住宅地は0.1%上昇しました。
回復傾向にはあるものの、訪日客に人気だったミナミ地区の下落が目立ち、道頓堀の地点では下落率が15.5%で2年連続全国トップとなっています。
住宅地は中心部へのアクセスがよく、マンション需要が高まった影響で天王寺区や中央区などが地価上昇を牽引しました。
▼名古屋圏
名古屋圏の商業地は1.7%の上昇、住宅地は1.0%上昇しました。
名古屋市では全16区で下落から上昇に転じました。再開発が活発な商業地の栄地区で地価の上昇が目立っています。
住宅地の平均価格の上位には高級マンションの建設が相次ぐ名古屋市東山区、自動車産業が盛んな刈谷市や安城市が入りました。
一方で少子高齢化や空き家の増加が続く南知多町の一角は下落率が7.3%と全国でも2番目に下がっています。
全国的に地価は回復傾向にあるものの、新型コロナウィルスの影響、米国の利上げ決定、
ロシアのウクライナ侵攻なども影響してくる恐れがあり、見通しは立てづらい状況です。
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