新型コロナウィルス(以下コロナ)の感染第二波の影響が叫ばれる中、第一波における賃貸経営への影響が分かってきましたので、お伝えします。
▼コロナの影響アンケート
CBIT(シービット:東京都千代田区)社が、不動産賃貸オーナーを対象に、5~6月に実施したアンケートによると、コロナ感染拡大前と比較して賃料収入等の影響は、「今のところない」は86%、「
10%前後減少」が9%、「20%前後減少」が5%と影響は限定的となっています。
しかし、今後想定される影響や懸念は、「家賃滞納者も出てくると危惧」「家賃の下落」「新規賃料の減額、空室期間の増加」「賃貸需要への影響」など不安の声が多くあがっています。
▼家賃保証会社、滞納率は微増
保証件数55万件以上のジェイリース(東京都新宿区)によると、未入金者に代わって支払い家賃を立て替える「代位弁済率」が、3月の7.1%から、4月は7.3%、5月は7.4%と0.1~2ポイント上昇したものの、6月の代位弁済率は7.1%と3月の水準に回復しています。
保証件数54万件のCasa(カーサ:東京都新宿区)も3月の滞納率は10.9%、4月は11.1%、5月11.5%と滞納状況の悪化は限定的としています。
住居確保給付金が振り込まれたことが影響していると考えられますが、一部業種や非正規労働者等を全て反映しているとは考えにくく、コロナの影響の長期化の懸念は残っています。
▼6月期累計業績 賃貸系上場18社中13社が減益
賃貸住宅領域をメインとする上場企業6月期累計業績をまとめたところ、18社中13社が前年同期の営業利益を下回りました。
そのうち、前年同期比30%以上の減益となった企業は8社あり、コロナの影響で4~5月に営業活動を制限したことなどが大きなダメージとなっています。
一方で、賃貸住宅の入居を斡旋する不動産仲介会社の多くが、6~7月にかけて業績を取り戻してきていて、4~5月期の反動ととれる動きになっています。
コロナの影響はピークを超えたと見えつつも、影響の長期化の不安感は依然として残っていて、今後も人や企業の動きに注視しながらの賃貸経営が続きます。
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