top of page

2025年税制大綱の論点

 2025年度税制改正大綱が発表されています。まだ最終決定ではありませんが、大きな流れとしては今回の改正の方向性に沿ったものになります。

 その中でも、個人や事業に関わりの深いものをいくつかピックアップして紹介します。


▼中小企業者等の法人税の軽減税率の特例の延長等

 資本金1億円以下の中小企業の法人税率について、年800万円以下の部分の所得金額に対する税率が本来の19%から15%に軽減さる特例が2年間延長されます。

 ただし、所得の金額が年10億円を超える年度については、年800万円以下の部分の税率は17%に引き上げられます。


▼地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の延長等

 企業版ふるさと納税とも呼ばれるこの制度は、国が認定した地方公共団体の地方創生事業に対して企業が寄附を行った場合に、最大で寄附額の9割が法人関係税から税額控除されるというものです。この制度が3年間延長されます。


▼物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整への対応(103万円の壁)

 最近、大きな話題となっている103万の壁については、次のような変更がされます。


  • 基礎控除額が48万円から58万円に引き上げられる

  • 給与所得控除額が55万円から65万円に引き上げられる


 このことにより、収入が給与だけの人の場合は従来の103万円から、123万円までは給与を受け取っても所得税・住民税が発生しないことになりますが、160万円とする案も上がっています。

 また、子どもなどを扶養する際に、親の税金が安くなる「扶養控除」も変化が生じます。扶養控除の金額は扶養する親族の年齢によって変動し、扶養控除が受けられるかどうかは扶養親族の収入によって決まります。今回の改正では、学生世代の子がいる親が対象となる特定扶養控除については、子の年収制限が103万円から150万円に引き上げられ、子の年収が150万円を超えても、188万円までは新設予定の「特定親族特別控除」により段階的な控除が講じられる予定です。ただ、2月時点確定ではありません。


▼確定拠出年金(企業型DC・iDeCo)の拠出限度額等の引上げ

 第2号被保険者と呼ばれる70歳未満の会社員や公務員などの厚生年金の加入者について、個人型確定拠出年金(iDeCo)の拠出限度額について見直しが行われます。


  • 企業型DCの拠出限度額を月額5.5万円から月額6.2万円に引き上げる

  • iDeCoの拠出限度額を月額2.0万円又は2.3万円から月額6.2万円に引き上げる


 また、自営業者などの第1号被保険者の個人型確定拠出年金と国民年金基金との共通拠出限度額は現行の月額6.8万円から月額7.5万円に引き上げられます。


Comments


Copyright c1999 JINYA Inc., All rights reserved.

  • Facebookの社会的なアイコン
bottom of page