ウッドショックとは短期間で木材価格が急激に高騰することをいいます。日本国内の住宅建設や家具製造の多くは北米からの輸入木材に頼っているため、ウッドショックが建築・リフォーム業界にも影響を及ぼしています。
▼ウッドショックが起こった原因
ウッドショックの発端は新型コロナウイルスの世界的な感染拡大にあります。拡大当初はアメリカの住宅市場は冷え込みました。
しかし、在宅ワークやリモートワークの普及により、アメリカ国内の住宅需要が急激に高まったことで、アメリカ国内での木材の需要と供給のバランスがくずれています。アメリカ国内で木材需要が高まれば輸出される木材は足りなくなり単価は上昇します。
さらにはコロナ禍によるコンテナ輸送業務の停滞や原油高に伴う運賃の値上がりといった状況も木材の価格高騰を後押ししています。
▼ウッドショックの日本への影響
日本は国土の70%が森林です。しかし、日本の住宅で使用されている木材の大半は輸入に頼っているという現状があります。
日本の住宅の多くで用いられているのは北米産の松(ベイマツ)です。ベイマツの仕入れ価格急激な上昇の影響からか、実は日本の新築住宅販売戸数は2020年8月以降急激に減少しています。コロナ禍で新築物件の売れ行きは上昇していたところ、ウッドショックが影響で、思うように販売戸数が伸びない状況になっています。
▼簡単には国産木材にシフトできない
日本は世界的に見ても国土に対して占める森林の割合が大きい国です。約5割が天然林、約4割が人工林、残りが竹林などです。
人工林にはスギやヒノキ、カラマツといった成長が早く、建築用資材に適しています。そして現在の人工林はちょうど収穫時期を迎えています。
しかし林業従事者の減少や高齢化により、林業経営の後継者は不足している現状がありますし、所有者不明の森林も多いです。
そのため、現在国内木材への需要が急激に高まっているとしても、すぐには移行できないのです。
ウッドショックがいつまで日本に影響を及ぼすかは見通しがつきません。とはいえ、焦りは禁物。しっかりと動向を見守りつづけて、必要なときに迅速な対応ができるようにしておきましょう。
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