新型コロナウイルスの感染拡大は、アパート・マンションの賃貸経営に大きな影響を与えました。
コロナで大きく変化したことは、テレワークや外出自粛などで、在宅時間が増加したことです。
従来は通勤利便性を重視し、狭くても駅近や都心へのアクセスの良い物件が好まれてきました。しかし、出社日数が減り、在宅時間が増加する中、中心部から離れても広めで設備充実の物件、すなわち住み心地の良い物件が好まれる傾向にあります。
また、転勤が減少したことで良い物件の退去も減少しました。人気物件に問い合わせが集中する一方で、長期空室が続くなどの二極化が進んでいます。
今回はポストコロナに向けた入居者ニーズのポイントとその対応方法をご紹介します。
▼在宅時間増加に伴う音問題
騒音の問題は近年増加傾向にありましたが、テレワークや外出自粛により、さらに要望は増しています。家具や家電製品の音や振動に加え、在宅時の声が問題になっています。
物件の対策としては、リフォーム時に壁の吸音材を貼る方法や、遮音フローリングにするな
どが有効です。
また、騒音は入居者の生活の仕方によるところもあるため、騒音が起きる原因や対策を記した『暮らしのしおり』を配布することも有効です。
▼設備充実や住みやすさ
自宅にいる時間が長くなり、旅行や娯楽、買い物に出かける機会が減りました。自宅にいる時間が長いからこそ消費の目は住まいに向けられます。具体的には、不安や不満の少ない心地よい住まい、楽に生活できる住まいです。
高速インターネットや省エネエアコン、LED照明、TVモニター付きインターホン、宅配ボックス
などは在宅時間を豊かにする人気設備です。
テレワークができるスペースが取れる広めや書斎が作れるDKがある間取りも人気です。
▼清潔感とおしゃれな内装
自宅中心の生活時間が増えることで、立地よりも外観や内装の雰囲気、おしゃれかどうかといった点を重要する傾向があります。
定期的に物件清掃を行い、古い箇所は修繕すること、部屋の顔となる玄関ドアや、デザイン性の高い壁紙、水回り設備を新しくすることで印象が変わります。
インターネットでの物件検討時間が長く、写真の見栄えを良くすることは重要な空室対策です。
ご紹介した内容の多くはコロナによって気づかされた入居者の潜在的ニーズです。これを機に新しい生活様式に対応した有効な空室対策を心がけましょう。
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