引越し代金高騰 退去住替え抑制の一因に
- ジンヤ
- 2 日前
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進学や就職による引越しは毎年3月がピークです。2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の960時間上限規制が実施されたことから、2025年3月は、いわゆる「物流の2024年問題」に直接的な影響を受ける初めてのシーズンとなります。
今回は、近年上昇傾向にある引越し料金と引越者数の減少について、その背景を考察します。
▼3月の引越し料金は2年連続で過去最高

日経新聞の調査によれば、2024年の2人以上世帯の引越し料金は前年比12%増の22万8106円を記録し、2年連続の過去最高金額となりました。
この背景にはドライバーを中心とした深刻な人手不足と、燃料費の高騰があります。人手不足をまかなうために発生する採用コストや、人材をつなぎとめるための人件費の上昇も、引越し料金を増加させる要因となっています。
▼引越者数は前年比1.1%減少
総務省が発表している住民基本台帳人口移動報告によれば、2024年の市区町村間の移動者は520万7746人で、前年比で1.1%減少しています。この水準は2019年以前と比べれば3万~5万人ほどの減少ではあるものの、2020年以降で見ると1万~2万人ほどの増減に収まっています。つまり、引越者数の減少はここ1、2年の話ではなく、5年ほど前から減少傾向にあるということです。
その理由としては、人口減少に加え、コロナでの在宅ワークの定着、引越し代の高騰、家賃の上昇などが考えられます。入学や就職が伴っても引き続き実家で暮らすことを選択する人や、現住所から通える距離にある進学先であれば引越しを取りやめてしばらく通ってみるという選択している人が増えてきているのでしょう。
▼引越し最盛期は業者不足
全日本トラック協会は、2025年の引越しのピークは3月15日(土)から4月6日(日)としています。時間外労働の上限規制もあり、この期間では、料金に関わらず引越し業者が確保できない状況になりました。
引越す側も事前の予測をもとに引越し時期を前倒しにしたり、転勤着任時期をずらしたケースもあるようです。この状況が続けば繁忙期の時期にも変動があるかもしれません。
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