突然沸き起こった感のある“新型コロナウィルス”ですが、一気に世界的な流行に発展し、一段と経済への影響が大きくなってきました。
観光業や飲食業への影響が大きいことが懸念されていますが、建築・不動産業への影響も避けられない状況になってきました。具体的にどのような影響があるのか確認していきましょう。
▼建築業界への影響
建設業の大きな打撃は「住宅資材の仕入れができない」です。浴室や洗面台から壁紙、木材、鉄骨、様々な建築資材、設備がありますが、これを納品できないという事態が起こっています。
住設機器メーカーのTOTOは自社ホームページにお知らせを掲示していますが、それによると、トイレ、システムキッチン、洗面化粧台、水栓金具等に納品遅れが生じているようです。
納品されなければ建築工事を進めることができません。既に契約済みの住宅が完工できず、予定日も明確にできないようです。そのため、契約がキャンセルされる事態が起こっています。
住宅メーカーがそのような状況ですので、当然リフォームにも影響が出ます。そうなると新築だけではなく、中古住宅や賃貸住宅の工事にも影響が広がります。
各メーカーは国内にある程度の在庫はストックしているようですが、それも時間との闘いです。
▼不動産業界への影響
不動産業界は、大分類で売買、賃貸、管理などに別れます。さらに住居、収益、事業用と種類も別れます。この中でいち早くコロナショックの影響がでているのは、賃貸や管理に分類される「民泊」「ゲストハウス」の類です。主たる顧客が観光や旅行客だからです。
次に影響が出ているのは、投資物件です。入出国の制限により、外国人投資家の来日が減少し、不動産会社に行く人や物件見学が減少しています。また、世界経済の減退による保有資産の目減りが、投資意欲を落とすことにつながります。
一方、内需を主とする居住用賃貸においては、新型コロナウィルスによる自粛の長期化に伴う影響がでてきています。
企業の働き方改革や転勤の抑制で賃貸物件の動きが鈍いことに加えて、移動自粛や引越し時期をずらす動きが広がっています。さらに来日就労者が減少することで、影響は大きくなるでしょう。
その観点から、今のうちに所有物件の入居率を上げ、維持していくことが取りうる策かもしれません。
余談を許さない日々ですが、情報に耳を傾け、賃貸経営のリスクに対応していきましょう。
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