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賃貸不動産経営の実情 70歳からの新築建て替え③

 前回に続き、建物の詳細設計について実情をお伝えします。

 新築の場合、入居者は建物や設備の新しさに惹かれて入居しますが、長期に入居して頂くためには基本性能の高さや使いやすい間取り、細かい配慮が必要です。


▼基本性能の高い建物

 長期入居を実現するためにはまず建物が安全で、快適なものでなければいけません。具体的には、耐震等級3、低酸素住宅(省エネ基準の1.5倍)と基本的な性能を分譲マンション並としました。


▼住みやすい間取り

 テラスハウスでは一室72㎡で間取りは2LDK。従来はこの広さでは3LDKが主流ですが将来は部屋数より部屋の広さがポイントになると思い、部屋数は少なくし、代わりに通り抜け出来る広いWICやトイレ、洗面化粧台各2台を設置し住みやすさを向上させました。

 また、キッチンは引き出し式の扉、3口ガスコンロと奥様の好みに配慮し、ドアなどの建具は分譲住宅に使われるグレードを使い高級感を出しています。

 その他、細かい気遣いとして、多数のTVコンセント(レイアウト自由度を高める)、WIC内コンセント(ワークエリアとして転用可)、キッチンカウンター脇のコンセント(ポット用)、広い脱衣所(着替え用収納設置可)、部屋干し用バーなどを設置しました。


▼ペット共生物件

 この建物はペット飼育可を特徴としています。一般のペット対応物件にはペットに対応した設備類は殆ど設置されていませんが、今回の新築ではペット用の設備を充実させ、愛犬仕様としてアピールしています。

 尚、ペット可と言っても飼育可能なのは犬と小動物(うさぎなど)です。猫は躾しづらく建物が傷む可能性が高いので当面は対象外としています。


▼建築会社の選定

 この様な基本性能の高さやグレードの高い設備類を使うと建築費をできるだけ抑えなければいけません。もし、大手メーカーで建てたら建築費が高くで収益は赤字になります。実は、私は将来に備えて多くの機会を使っていろいろな建築会社の物件見学会に参加して情報を収集していました。

 その中で、親しい大家仲間の建物を手掛けた工務店がコストも仕様も優れていたので以前から気にかけていました。

 今回の新築に際しその友人に紹介して頂きました。その会社は埼玉県にあり、遠方でしたが建築して頂くことが出来ました。

 この時期ウッドショックが発生し木材の高騰が発生しましたが、何とか値上げ前に契約することが出来コストアップを免れることが出来ました(続く)。


不動産オーナー 加藤隆

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