賃貸物件で近隣トラブルが発生した場合の家主の責任と対処法③入居者入れ替わり編
- ジンヤ
- 1月27日
- 読了時間: 3分
今回のテーマは、外国人に部屋を貸したところ、多人数が住み着いてしまった場合の対処方法についてです。
▼居住人数オーバーへの対応
居住用の賃貸物件には、通常は適正な居住人数が想定されています。適正人数を超える多人数が居住すると、建物の傷みが激しくなったり他の居住者に迷惑を掛けたりすることになり、賃料に見合わない過大な管理コストが発生するリスクが高くなります。
「当該賃貸物件にとっての適正な居住人数は何人か」という点に関する主張立証を裁判所でしなくても済むように、まずは賃貸借契約書に居住制限人数を明記しておくべきです。
居住制限人数を超える多人数が日常的に住み着いた場合、賃貸人としては、用法違反を理由に賃貸借契約を解除して賃貸物件の明渡しを求めることになります。

賃貸借契約を解除するには、信頼関係が破壊されたと言える程度の特別な事情が必要です。親族や友人がたまに泊まりに来たり、カップルに貸したところ子供が増えたりした程度では契約解除は難しいでしょう。
これに対し、ある外国人に部屋を貸したところ、母国から親族や知人を日本に呼び寄せ、いつの間にか居住人数制限を超えて多人数が住み着くようになってしまったケースで、改善要求に対応しない場合には、賃貸借契約の解除が認められる可能性が高くなります。
▼賃借人が不明となった場合
もう一つ現実的に起こっている問題として、賃借人が所在不明になってしまい、「日本語が分からない」と主張する氏名不詳の外国人だけが居住している場合があります。
賃貸物件の明渡請求訴訟を提起するためには被告の氏名や住所を訴状に記載しなければなりませんので、この状況では訴状が作成できません。また、裁判の途中や判決後に被告でない第三者が賃貸物件に住み着くと、判決が出たとしてもその第三者に対して強制執行をすることができません。
そのため、まずは「占有移転禁止の仮処分」の申立てをして占有者を法的に固定します。占有移転禁止の仮処分は占有者の氏名等が不明であってもすることができます(執行官が現場に赴き、占有者に質問したり文書の提出を求めたりして占有者を特定します)。
占有移転禁止の仮処分によって占有者が特定されれば、その特定された占有者を被告にして民事訴訟を提起して判決を求めることになります。その結果、裁判の途中や判決後に占有者が入れ替わったとしても、仮処分によって占有者は法的に被告に固定されているため、被告に対する判決に基づいて明渡しの強制執行をすることができます。
このように賃貸物件に多人数が住み着いた場合は法的に難しい処理をしなければならないため、速やかに弁護士に相談することをお勧めします。運が良ければ、弁護士名による通知書を見た占有者が自主的に立ち退いてくれる可能性もあります。
弁護士Y




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