国税庁が7月1日に発表した2022年(1月1日時点)の路線価は、全国平均で前年比プラス0.5%となり、2年ぶりに上昇しました。
新型コロナウイルス禍での在宅勤務の広がりで都市部から移住する人が増え、郊外のリゾート地や住宅地で上昇が目立っています。
主要な観光地はコロナ禍の影響縮小を期待して上昇に転じる地点があったものの、コロナ禍前から訪日外国人客需要への依存度が高かった繁華街は下落が続き、明暗が分かれた形になっています。
▼都道府県の変動
47都道府県のうち価格が上昇したのは20都道府県で前年の7道県から大幅に増加し、コロナ禍前2020年の21都道府県と同水準になってきたといえます。
今年、路線価の上昇率が全国で最も高かったのは北海道の4.0%でした。札幌市と、プロ野球・日本ハムの新球場が開業予定の北広島市を中心に、地価も上昇傾向にあります。
下落したのは前年の39都府県から27県にとどまりました。下落率が最も高かったのは和歌山県でマイナス1.3%、続いて愛媛県のマイナス1.1%でした。
▼都道府県庁所在地の最高値
都道府県庁所在地で、最高路線価が上昇したのは横浜、名古屋、京都などの15都市で、前年よりも7都市増えました。下落した都市は、前年よりも6都市少なく16都市で、昨年下落率がトップだった奈良市は前年に比べてマイナス1.4%となったものの、下落幅は11.1ポイント縮小しています。
路線価の全国トップは37年連続で東京都中央区銀座5丁目にある文具店「鳩居堂」前で、2年連続で下落したものの、下落率はマイナス1.1%にとどまっています。
コロナの終息が見えない中、2023年の動向に注目です。
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