令和6年度税制改正において、住宅ローン控除とリフォーム税制が、子育て世帯や若年夫婦に向けて強化される見通しです。住宅取得の負担軽減と子育て環境の向上を目指しています。なお、令和7年度においても同様の方向性で改正が検討されています。
▼住宅ローン控除限度額を据置き
住宅ローン控除とは、住宅取得費用に対するローンの残高(限度額あり)の0.7%に相当する所得税の税額控除を受けられる制度です。令和6年度の改正では、子育て世帯や若年夫婦世帯が令和6年中に入居する住宅を対象に控除限度額が据え置きとなります。
【対象住宅・控除限度額】
対象住宅は、新築・未使用・買取再販よって取得される、長期優良、省エネ基準適合などの「認定住宅等」です。改正後の控除限度額は表をご覧ください。
▼リフォーム税制の拡充
リフォーム税制とは、一定の目的の住宅リフォームを実施した場合、標準的な工事費用相当額(限度額あり)の10%に相当する所得税の税額控除を受けられる制度です。対象となる工事に、子育て支援を目的とした改修工事が新たに加わります。令和6年4月1日から同年12月31日までに居住した場合が対象です。
【対象となるリフォーム】
住宅内における子どもの事故を防止するための工事、対面式キッチンへの交換工事、開口部の防犯性を高める工事、収納設備を増設する工事、開口部・界壁・床の防音性を高める工事
、一定の間取り変更工事です。他にも、標準的な工事費用相当額が50万円を超えるなどの要件があります。
▼子育て支援政策の対象者
19歳未満の扶養親族のある人や夫婦の少なくとも一方が40歳未満である人が対象になります。また、住宅ローン控除・リフォーム税制のいずれも合計所得金額が二千万円以下であることが条件になります。
▼子育て支援以外の改正
住宅ローン控除の床面積要件の緩和措置(40㎡以上を対象。合計所得金額一千万円以下のみ)が1年延長(令和6年末までに建築確認)
現行のリフォーム税制(耐震・バリアフリー・省エネ・三世代同居)が2年延長(令和7年末まで)
一級FP技能士 石田夏
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