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住宅総数、空き家数ともに増加 空き家の流通促す施策も

 総務省が2024年4月30日に「住宅・土地統計調査住宅数概数集計」を発表しました。調査は5年ごとに行われており、総住宅数は6502万戸で2018年から4.2%増加しました。また、空き家数は900万戸と過去最多で、2018年から51万戸の増加、空き家率も13.8%と過去最高を記録しています。 


▼住宅数の増加の背景

 日本の人口は減少傾向にあるにもかかわらず住宅総数が増加しているのは、都市部における住宅需要増と、断熱性が高く環境負荷の少ない住宅への買い替えが盛んに行われていることが背景にあるとされています。


▼使用されていない空き家問題

 空き家のうち、賃貸や売却、セカンドハウスなどとしても使用されていないものは「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家(その他の空き家)」に区分されます。その他の空き家は385万戸で、5年間で37万戸増加しています。

 その他の空き家は放置されることが多く、倒壊の可能性や不法投棄場所になるなど、周囲に悪影響を及ぼすことがあり、いわゆる「空き家問題」となっています。


▼仲介手数料の上限引き上げ

 不動産会社は仲介手数料を収入としているため、状態が悪く、売却価格が低くなりがちな空き家については積極的な売買活動をしません。

 現在、空き家増加の対策として、特例で売却価格400万円以下の物件の仲介手数料の上限は18万円に設定されています。本来の仲介手数料は200万円以下の物件は売却価格の5%(税別)、200万円超400万円以下の物件は取引価格の4%+2万円(税別)ですので、特例により、100万円で売却しても400万円で売却したときと同じ仲介手数料が得られるものになっています。

 そして今回、この特例が見直されることが国土交通省より発表されました。2024年7月より、仲介手数料の上限が30万円に、そして適用される売却価格の範囲が800万円以下までに引き上げられます。また、現在の特例は売主側の仲介手数料にのみ適用できるものでしたが、買主側の仲介手数料にも適用可能になることが分かっています。

 さらに、長期で使われていない空き家を賃貸物件とする場合の仲介手数料も、従来は貸主と入居者合計で賃料の1か月分までだったものが、貸主から追加で1か月分受け取れるようになるとされています。


 仲介手数料の特例見直しが、空き家減少につながる大きな一手となるのか、今後も注目していきたいところです。

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