アパートなどの賃貸物件も築年数が経つと建物は劣化していきます。そのため、入居者の居住環境や安全性、資産価値を維持するためには、適切なタイミングで修繕が必要です。
修繕の種類には、経年劣化や不具合により主に「大規模修繕」「小規模修繕」「現状回復」がありますが、費用負担が大きくなりがちなのが「大規模修繕」です。
今回は、大規模修繕とはどのようなものか、そのメリットと実施しない場合のリスクについて解説していきます。
▼大規模修繕とは?
大規模修繕とは、アパート新築から10年~15年に一度のペースで行うもので、外壁や屋根の修繕、ベランダ・階段などの鉄部の塗装、防水床部分の修繕、給排水管の交換など比較的に広範囲で修繕をするものです。
外壁や屋根など足場を施工して行う工事も含まれることから、工事費用も高額になり、施工期間も長いことが特徴です。
▼大規模修繕のメリット
費用負担が大きい大規模修繕ですが、適切なタイミングで行うことで次にようなメリットがあります。
●修繕により建物の美観が改善
●入居者の安全性が高まる
●入居者の居住環境が改善
●物件の資産価値が維持される
大規模修繕で外壁などの見栄えが良くなることは空室対策にもつながり、アパート経営における大きなメリットのひとつです。
また、安全性が高まるなど入居者の居住環境も良くなります。建物の美観や耐久性が維持されると、資産価値としての評価が高まります。大規模修繕は、単に老朽化した部分を修繕する目的だけではなく、将来的に収益性アップにもプラスに働くことが期待できます。
▼大規模修繕を行わないリスク
大規模修繕を実施しない場合、次のようなリスクが想定されます。
●建物の老朽化で空室が増える
●建物の安全性が低下する
●老朽化が深刻になり修繕費用がさらに高くなる
●建物の資産価値が低下する
内装リフォームをどれだけ行ったとしても、外観に汚れや劣化が見られる物件は魅力も半減してしまいます。ネット検索が主流の現在は、一瞬で魅力的な物件がどうかを判断するため、第一印象が大切です。
老朽化を放置すれば、入居者や近隣への安全性を確保できなくなります。さらに自然災害で思わぬ損害を受け、高額な修繕・補修が必要になることもあります。
また、適切なタイミングでメンテナンスを行わないと、建物の資産価値が低下する恐れがあります。同じ築年数でも定期的なメンテナンスをしているアパートは、資産価値が維持されることが期待できます。
アパート経営を安定したものにし、資産価値を落とさないためにも、適切な大規模修繕が必要です。
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