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相続”空き家” 売るか貸すか⁉ その②

 相続に伴い増加する空き家対策として、家屋または敷地の売却益から3千万円を控除できる、通称「空き家特例」について、売るのか貸すのかを判断するための参考になるお話をしたいと思います。

▼適用条件

 親が亡くなる以前から介護施設等に入所していて既に空き家になっていた場合でも一定の条件の下でこの特例を適用することが出来ます。

 この「一定の条件」で大事なことが、親が住まなくなってから亡くなるまでの間に、人に貸したり自

分が住んだりしていないことです。

 親が亡くなる前でも後でも、空き家になったからといって人に貸したり、自分で住んだりすると空き家特例は適用出来なくなります。


▼耐震リフォームあるいは解体して売却する

 物件の所在地が人気エリアにあって高く売却出来そうであれば現行の耐震基準に合うようにリフォームをして売却することで空き家特例を適用して節税を図ることが可能です。

親の死後、子供が家を解体して売却しても空き家特例は適用可能ですので、土地に魅力がある場合には売却の選択が賢明かもしれません。

 また、耐震リフォームは親が生前に実施しておいても空き家特例は適用可能です。

空き家特例の適用条件の耐震性要件は「譲渡の時において一定の耐震性基準を満たすものであること」とされ、耐震性が満たされたのが親の死亡前なのか後なのかは問われません。

 相続税が発生する可能性が高いと判断される場合、親が生前に自らの負担で耐震リフォームを行い自身の財産を減少させておくことも相続税を減少させる意味においては有効です。


▼戸建てを賃貸する場合

 物件の所在地や再建築不可など売却の可能性が低いため、賃貸を選択される場合にも相続税への影響を考慮した方がよいでしょう。

 親が亡くなる以前から賃貸を開始し、親が亡くなった時点で賃借人がいる場合にはその建物(すなわち貸家)の相続税評価は賃借権分だけ下がります。

賃借人がいることで、所有者は自己の財産の自由な使用を制限されますので税務上は30%の評価引き下げが認められているのです。


▼マンションの場合は?

 特例適用条件として、「区分所有建物でないこと」があります。このため親の自宅がマンションである場合適用されません。マンションの場合は耐用年数が高く、売却かリフォームして賃貸する等の検討が望ましいでしょう。

 いずれにしても親亡き後、親の自宅をどうするか方針が決まらないまま放置することが無いように親が元気なうちに検討を始めることをお勧めします。


税理士法人吉田会計 税理士 吉田和義

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