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2021年『公示地価』発表全国平均6年ぶり、3大都市圏8年ぶり下落

 国土交通省は2021年1月1日時点の公示地価を発表しました。

 それによると、全国平均が6年ぶりに下がり、3大都市圏では▲0.7%のマイナスと8年ぶりの下落で、商業地だけに限ると▲1.3%の下落となっています。

 なかでも最高価格の東京・銀座の山野楽器銀座本店は▲7.1%の下落に転じ、20年に商業地トップを記録した大阪圏は、▲1.8%の下落と三大都市圏の中で下落率が最大となっています。


▼東京圏

 東京では、各用途とも8年ぶりに前年比で下落に転じ、下落率は住宅地が前年比▲0.6%、商業地が▲1.9%、全用途は▲1.0%だった。新型コロナウイルスの影響で飲食や宿泊の需要が大きく減退し、銀座や浅草などの商業地は大幅な下落となっています。

 住宅地も上昇にブレーキがかかったものの、商業地に比べれば変動は緩やかと言えます。在宅勤務の広がりで職場への近さを従来ほど考慮しなくてもいい人が増加し郊外化が進むも、駅からやや距離がある戸建て住宅街の下落率が目立っています。


▼大阪圏

 大阪府の商業地は▲2.1%の下落となり、全都道府県中、最大の下落率となっています。

 とりわけ訪日客の増加で地価の上昇が続いていたミナミ(難波・心斎橋エリア)は下落が鮮明で、1920年創業の老舗ふぐ料理店「づぼらや」は20年9月に百年の歴史に幕を閉じたことは大きなニュースになりました。同店のある大阪市中央区道頓堀1丁目は20年の24%上昇から、今年は▲28%の下落に転じています。


▼名古屋圏

 名古屋でも商業地を中心に下落が目立っています。

 愛知県では人口調査を始めた1956年以来、初めて減少に転じ、経済縮小の影響が地価にも波及しているとしています。

 名駅周辺の高層ビル建設計画を予定していた名古屋鉄道は今後の需要の変化を見極めるため、計画の見直しを余儀なくされています。

 住宅地はマンション需要の高い中区など一部で地価上昇の動きがあるようです。


 2021年の公示地価は都市部を中心に大幅下落となりましたが、今年に入ってからも新型コロナの影響は払拭できておらず、先行きは見通しにくい状況が続くものと考えられます。

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