国土交通省が9月20日に発表した基準地価(7月1日時点)によると、全国の住宅地・商業地・などを含む全用途で、基準地価平均が前年比0.3%上昇し、3年ぶりにプラスに転じました。住宅地はプラス0.1%で、1991年以来31年ぶりにプラスになりました。
▼住宅地は14都道府県がプラス
都道府県別ではプラスに転じた所が14と、昨年の7から倍増しています。特に北海道は地価の上昇が著しく、全国の住宅地の上昇率トップ100のうち82地点を北海道内が占めています。再開発がすすむ札幌市は前年比で11.8%上昇、プロ野球の新球場ができる北広島市では24.8%もの上昇をみせています。
▼三大都市圏は2年連続上昇
東京・大阪・名古屋の三大都市圏では全用途平均は前年比で1.4%上昇し2年連続の上昇でし
た。
住宅地でも1.0%上昇しています。住宅地においては昨年マイナスだった大阪圏が3年ぶりにプラスに転じ、東京圏、名古屋圏ではプラスのまま上昇率が拡大しています。
▼地方圏は下落率低下
三大都市を除く地方圏全体では全用途・住宅地ともにマイナス0.2%ではあるものの、下落率は小さくなっています。
地方圏のうち、札幌市・仙台市・広島市・福岡市の地方四市では全用途平均はプラスで、前年比6.7%上昇、住宅地もプラスで前年比6.6%の上昇でした。地方四市は、三大都市圏を超える大幅な上昇を達成しています。
▼商業地はプラスが18カ所
都道府県別ではプラスが18で、前年の3倍に増えました。商業地は全国平均で0.5%上昇し、3年ぶりのプラスです。背景には個人消費の持ち直しや、続くマンション用地・オフィス用地需要、国内来訪客が戻りつつある観光地、人流が回復しつつある繁華街などの影響があると考えられます。
基準地価の上昇は、長く続いた新型コロナウイルスの影響を脱したという良いニュースですが、日本全体で見ると厳しい現状があります。住宅地は32府県で前年比マイナスとなり、商業地も27
県が下落し、特に東北や四国などでは苦境が続いています。
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