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東京の戸建て住宅の値下がり傾向、近隣県にも影響

 不動産調査会社の㈱東京カンテイが定期的に発表しているレポートによると、東京都の戸建て住宅価格が値下がり傾向にあることが分かりました。その背景には投資目的でない実需層において価格が高くなりすぎ、買い手がついてこられなくなったことがあるようです。


▼新築戸建て平均価格が3か月連続下落

 11月時点の敷地50㎡以上100㎡未満の新築小規模戸建ては平均価格が東京都では6481万円で3か月連続の下落でした。その後、12月の平均価格は前月比よりも上昇したものの、下落前の水準には達していません。これは中古小規模戸建てでもほぼ同様の動きを見せており、10月・11月は連続で価格が下がり、12月には上昇したものの、下落前の価格よりは低くなっています。また、東京都を含む神奈川県・千葉県・埼玉県といった首都圏においては、神奈川県は新築・中古戸建てともに上昇傾向にあるものの、首都圏全体では東京都と同様に下落傾向にあります。


▼中古マンション価格は上昇傾向

 東京カンテイの別の調査では、東京都の11月時点の中古マンション平均価格は70㎡換算で7339万円となり、7か月連続で上昇しています。上がりつづける中古マンション価格と下落傾向にある戸建て住宅の間で、値動きに違いが発生しています。

 既に建築されている中古物件は、建築費の高騰の影響は受けづらく、需要と供給にストレートに対応して価格変動が起きやすいものです。

 それでも中古マンションと中古戸建てで値動きの違いがあるのは、中古マンションは投資用マンションとしての需要がある一方で、中古戸建ての購入者層は、実際に自分が住むために購入する人がほとんどだからです。ここに需要の差があるため、値動きに違いが表れていると考えられます。


▼住宅ローン金利上昇の不安

 中古戸建て価格が減少傾向にある理由は、住宅ローンの金利上昇への警戒も挙げられます。2024年7月に日銀が17年ぶりとなる利上げを決定し、政策金利が0.25%に引き上げられ、2025年1月には0.5%に引き上げたことで、多くの金融機関で住宅ローン金利が引き上げられています。

 長年実施されなかった利上げを目の当たりにしたことで、購買層は、特に変動金利で住宅ローンを組むことへの不安が大きくなっています。価格や金利の上昇に対応するように、戸建て価格は今後も減少ないし横ばいとなる可能性が高いと考えられます。

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