木材価格の急激な高騰を指すウッドショックが依然として続いています。ウッドショックは住宅の建築資材の7割を輸入に頼る日本において、住宅価格の上昇につながっています。ウッドショックの現在の状況と今後の見通し、そしてウッドショック中の住宅購入の是非について考察します。
▼ウッドショックが起こった理由とその影響
ウッドショックの発端は新型コロナウィルスの世界的な感染拡大にあります。拡大当初はアメリカの住宅市場は冷え込みました。
しかし、リモートワークの普及により、アメリカ国内での住宅需要が急激に高まってきています。アメリカ国内で木材需要が高まれば輸出される木材は少なくなり単価は上昇します。
さらにはコロナ禍による労働者減少、コンテナ輸送業務の停滞や運賃の値上がり、ネットショッピングの需要増によるコンテナ不足といった状況も木材の価格高騰に追い打ちをかけています。
日本は世界的に見ても国土に対して森林の占める割合が大きい国で、建築用資材に適した木々も多くあります。しかし、林業従事者の減少や高齢化により、林業経営の後継者は不足している現状がありますし、所有者不明の森林も多く、国内木材への需要が急激に高まっている現状においても改善の見通しは立っていません。
▼現在の木材価格の動向
林野庁の発表によれば、2022年の木材輸入額の累計は前年同期比で42%増の1兆7503億円でした。その一方で輸入量はほとんど増えておらず、丸太が5%減、製材が1%増、合板が同4%増、集成材が7%増となっています。このことからも、木材価格が高騰していることが分かりますし、ウッドショックが収束に向かっているとは言い難いこともはっきりしていると言えるでしょう。
▼住宅購入を待つ必要はない!?
ウッドショックが解消される見通しは今のところ立っていません。となると、住宅購入する時期ではないように思われますが、実はそうではありません。見通しが不透明である以上、今後も引き続き状況が悪化する可能性もあるからです。超低金利の住宅ローンの金利が高くなる可能性や、物価上昇の影響で、ウッドショックが落ち着いても住宅価格が下がらない可能性もあります。
現時点での住宅購入の最適解は「買えるときに買う」だと言えます。
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