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コロナの影響、都心の単身向け賃貸の厳しさ続く

 新型コロナウイルスの新規感染は、収束を見せつつあるものの、その影響はいまだ残っています。

 単身者向け物件を中心とした都内の賃貸住宅の低調が続いている状況で、特に家賃10万円台の物件は大きく苦戦しています。


▼都内4区の賃貸マンションは空室増

 築10年以内のRC.SRC造・マンションタイプの2021年8月の募集戸数は、1年前のデータと比較すると渋谷区を除く4区で16.8%~33.9%の増加が見られました。さらに、募集坪単価平均も2020年3月と比較すると3.7%~6.3%下落しています。

 このことから、空室増への対策として、賃料を下げている物件が多くなっていることが分かります。中でも20㎡程度の広さで賃料が10万円ほどの高価格帯物件は、賃料を下げても入居者を確保しづらい状況にあります。

 一方で1LDKや2LDKといったコンパクトファミリー向けの物件はコロナ禍においても好調です。


▼転勤減少が大きな痛手に

 毎年1月から3月にかけての引っ越しシーズンには入学や入社だけでなく、転勤による引っ越し需要も大きいです。

 しかし、テレワークやオンライン会議といった働き方の変化の中で転勤の延期や中止も多く、転勤による引っ越しは減少傾向にあります。テレワークで行うのが難しい業務を抱えるマネジメント層には通勤しやすい場所への引っ越し需要があると見られていますが、転勤者の減少をカバーできるほどではありません。


▼入国できない外国人

 現在はオミクロン株の出現により、外国からの来日が大きく制限されています。すでに入居や滞在を決めていたとしても入国ができず、延期せざるを得ない外国人が増えています。

 これまで以上の入国制限は、いつまで続くか見えない状況にあります。そのため、都市部でも外国人の入居需要は期待できないと言えるでしょう。


▼学生はやや戻る可能性も

 学生は対面授業かオンライン授業かで引っ越しの有無が決まります。現在では対面授業の再開をした学校が多く、学生の動きは戻ってくると予想されています。


 2022年の引っ越しシーズンも昨年に引き続き、厳しい状況となるでしょう。小さな動きを見逃さず、早めにチャンスを獲得することが重要になると考えられます。

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