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【相続】知らなきゃ“損”する相続対策の基礎知識

 皆さま、こんにちは。本日は、近年増加傾向にあります「相続トラブル」についてお伝えさせて頂きます。オーナー様の中には「財産が少ないから、私には相続トラブルなんて関係ないよ!」とおっしゃる方もいらっしゃいます。もし、そのように思ってらっしゃる方がおられましたら、今すぐにそのような幻想は捨てください。


 意外な事実かもしれませんが、実は、相続税が掛からない方でも、「 争続」に巻き込まれている方は多いのです。司法統計年報によると、相続トラブルが最も多いのは、遺産額が1000万円から5000万円までの家族で、なんと紛争案件全体の約43%も占めます。

 これは、一体なぜでしょうか?

 次の理由が考えられます。


①高齢化、介護にともなう遺産分割の難しさ

 総務省の発表によると、65歳以上の高齢者が、国民の4人に1人の割合を占める時代だそうです。高齢者が増え、相続が発生する場面は増えていると同時に、介護を受ける方々は年々増加しています。

 この介護を巡っては、遺産分割の場面において、争いが起きることがあります。それは、介護は「扶養の範囲」なのか、それとも「寄与分」に当たるのかという点です。ここで「寄与分」について、簡単に説明しましょう。


 寄与分とは、「亡くなった人にどれだけ貢献したのかによって、通常相続するべき法定相続分を超えて、財産をもらうことができる権利」を言います。ここでポイントになるは、介護は特別な貢献にあたるのかというところです。一生懸命に介護をされて、親御さんを見送られた相続人にとってみれば、介護に参加しなかった他の相続人よりも多くの財産をもらう権利があるように思われます。

 しかし、介護によって親の財産が増加した訳ではありませんし、子には親の生活に対して扶養義務がありますので、介護はこの扶養の範囲の一部と考えるべきでしょう。そうすると、心情的には多くの財産をもらう権利があるように感じられる一方で、法的にはそれを認めにくいという状況が生まれ、遺産分割に納得がいかないというトラブルが発生する要因となるのです。


②財産の多様化や情報社会の発展

 インターネットの普及などにより、現代社会には情報が溢れています。相続問題に対しても、調べようと思えば相当な量の情報を取得できますし、長男の奥様など相続人ではない方が関与しているケースも非常に多いように感じます。

 特に財産が多様化する中、不動産は、何等分かに切って分け合うというわけにもいきませんので、相続人のうち誰かが不動産を相続して、代わりに金融資産などを他の相続人に渡すというパターンや、売却して金銭を分け合うという方法がよく用いられます。しかし、遺産の中にその不動産に見合う金融資産がない場合や、売却するのが難しい不動産もありますから、そう簡単に分けられないケースも多いのです。

 では、これらの相続事情を踏まえて、どのような対策をしたらいいのでしょうか。

 相続対策を考える上で、大きく分けて以下の4つを考えていく必要があります。


  Step1.相続人は誰なのか?

  Step2.自分の財産はどの程度あるのか?(相続税の対象なのかどうかを確認)

  Step3.(相続税がかかる人は)相続税対策についてどうするか?

  Step4.財産を誰にどのように引き継いでいきたいのか?


 是非、一度ご自身について棚卸をされてみてはいかがでしょうか?


司法書士法人オフィスワングループ 司法書士・宅地建物取引士 島田 雄左



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