賃貸借契約は2年ごとに更新をしていく普通借家契約が一般的ですが、例えば自宅を「転勤の間だけ貸したい」という時には、期間を限定して貸出すことが出来る定期借家契約がお勧めです。
あまりなじみがない大家さんが多いかもしれませんが、ここで定期借家契約について理解しておきましょう。
▼契約期間
定期借家契約においては、貸主が自由に契約期間を設定できます。半年でも10年でも構いません。
▼更新について
定期借家契約には、定期とあるように、そもそも更新という概念がないため、初回に決めた期間が満了すると必ず契約は終了します。
ただし、契約満了期を迎えて、もう少し住んでもらいたい場合、借主と合意すれば、再契約することが出来ます。この契約は新しい契約と捉える為、次の契約期間は従前の契約期間にする必要がありません。(例 初回の契約期間は5年次の再契約期間は2年)
▼こんな時におすすめ
①転勤になってしまった
せっかく自宅を購入したのに急な転勤になってしまった場合、普通賃貸借契約で自宅を貸出してしまうと、自分が転勤から戻ってきた際に賃借人を退去させることは簡単には出来ません。退去してもらうには正当事由が必要になったり、立退料等が発生する可能性があります。
②将来的に売却を検討している
一戸建の空き家を所有して売却を検討しているが、まだ売り時ではないので3年ぐらい貸してから売却したいという場合もおすすめです。
賃貸中でオーナーチェンジ物件として売却となると、投資物件としての売却金額となりますので、空き家の状況よりも売買価格が安価になる可能性が高くなります。
▼貸出す際のポイント
定期借家契約は大家さんには好きな期間で貸し出せるというメリットがありますが、逆に借りる人から考えると、期間が決まっているのでまた引越さなければならないというデメリットがあります。
ですので募集する賃料は普通賃貸借契約の賃料より2~3割低く設定するのが一般的です。
また、極端に1年以内等、期間を短く設定してしまうと、建て替えなど短期での住まいを希望しているお客様しか借り手がつかないという事にもなります。できれば3年以上の貸し出し期間が望ましいでしょう。
▼契約方法の注意点
定期借家契約は、貸出期間を限定することができる貸主に有利な契約となる為、借地借家法において、契約の際にいくつかの条件がつけられています。
①契約前に書面を交付し説明する
②期間満了1年前から6ヶ月前に通知をすること
また、床面積200㎡未満の居住用建物の場合、借主側が転勤等のやむを得ない事情がある場合、解約申し入れ後1ヶ月で契約終了となります。
定期借家の募集にあたっては、このような注意が必要ですので、不動産会社へお願いすることをお勧めします。
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