賃貸住宅市場レポートが毎月1回、㈱タス社より報告されていますが、2017年6月の状況を踏まえ、市場の状況を確認してみたいと思います。
株式会社タス社が発表する「賃貸住宅市場レポート(8月)」によると、6月期の首都圏賃貸住宅指標は、軒並み悪化しています。その中でも、空室率(TVI)は、前年比で1.1~1.3㌽悪化しています。関西・中部圏でも空室率(TVI)は悪化傾向にありますが、首都圏ほどの悪化傾向は見られません。
これは、首都圏が他の地域と比べて賃貸住宅の入居者募集がしやすいことや相続税対策で、新築アパートの建設が引き続き堅調であることから、既存住宅への影響がでているものと考えられます。中でも特に、マンションよりアパートへの影響が大きく出ています。
今回もう1つ、重要なレポートが発表されました。【住宅ストックに占める経営難等物件の割合推定】です。この経営難等物件は、一般募集が掛かっていない潜在的空室物件と言え、5年に1度の住宅土地統計調査においてその実態が明らかになります。
今回のタス社のレポートでは、この経営難等物件の割合が推計により明らかにされています。そのデータによると、首都圏では次のような割合になっています。
これによると、首都圏において、実に19%~30%の物件が経営難等物件となっていす。
今後も新築の賃貸住宅が建てられる状況においては、いかにテナントを長期定着させるかが、賃貸住宅の安定経営のカギとなりそうです。
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