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路線価上昇で相続税に影響、対象者も増加で備えが必要に(2)相続税対策

1 日前
読了時間: 3分

 前回、路線価の上昇が相続税に与える影響を解説しました。過去に財産を試算した時は基礎控除の範囲内だったとしても、現在は超えている可能性があります。相続が発生してからでは実行できない対策もあるため、早めの行動が大切です。


▼相続税対策は財産目録の作成から

 まずは、土地・建物、預貯金、株式などの有価証券、生命保険などの財産、そして借入金などの債務を目録にし、課税価格の合計が基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるかどうかを確認します。超過分が、相続税の課税対象になります。


▽計算時の留意点

  • 土地:地目によって評価方法が異なります。宅地であれば路線価方式(前回参照)または倍率方式で評価します。

  • 死亡保険金:相続人が受け取る場合、法定相続人の数×500万円まで非課税となります。契約内容によって、相続税以外の課税対象になることがあります。

 

▼小規模宅地等の特例を検討

 宅地の相続で確認しておきたい制度の一つが、「小規模宅地等の特例」です。被相続人が生前に住んでいた自宅の敷地や、生前の事業に使っていた宅地について、一定の面積まで評価額を減額できる特例です。用途、面積、減額割合の組み合わせを簡単に示すと、図のようになります。


▽特例の適用要件に注意

 特例の適用要件は、生前の用途や取得者によって異なります。たとえば自宅の敷地では、取得者が配偶者、同居親族、それ以外の一定の親族のいずれかによって要件が変わります。同居親族には、相続税の申告期限まで居住と保有を続ける要件があります。同居していない親族には、相続開始前3年以内に本人や一定の親族などの持ち家に住んでいないことなど複数の要件があります。このように、取得者によって特例の適用可否が変わるため、あらかじめ誰が取得すると特例を使えるのか確認しておくことが大切です。


▽相続税の申告が必要に

 小規模宅地等の特例を適用した結果、課税価格の合計が基礎控除以下になった場合でも、特例の適用を受けるために相続税の申告が必要となります。


▼生前贈与について

 生前贈与を行う場合、その課税方式には、暦年課税と相続時精算課税があります。

▽暦年課税

 次の相続時精算課税を選択しない場合は暦年課税となり、贈与を受ける人1人につき年110万円の基礎控除があります。この範囲内であれば贈与税はかかりません。ただし、亡くなる前の一定期間内に行われた贈与は、基礎控除内の贈与も含めて一定額が相続財産に加算されるルールがあります。加算対象となる期間は段階的に7年へ延長されています。


▽相続時精算課税

 相続時精算課税には、年110万円の基礎控除と累計2500万円の特別控除があります。基礎控除を超える贈与は、特別控除の範囲まで贈与税はかからないものの、贈与者の相続時に相続財産として精算される仕組みです。基礎控除内の贈与は、相続直前であっても加算されません。子や孫への贈与で選択できます(年齢要件あり)。


 財産の評価額は変動します。定期的に見直し、誰が何を相続するか、納税資金を確保できるかを考えておきましょう。早めに家族と話し合うことや、基礎控除を超える場合は、税理士などの専門家に相談しながら進めることが大切です。

一級FP技能士 石田夏

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