先日、令和元年の「基準地価」が公表されました。
【基準地価とは】土地の取引価格の参考となる地価で、毎年7月1日を基準に都道府県が評価します。毎年1月1日を基準とする国土交通省の「公示価格」に比べ、評価地点が多いことから、公示価格を補完するものとして扱われています。
▼全国で0.4%上昇
全国平均は+0.4%でした。用途別平均では、商業地で+1.7%、住宅地で▲0.1%という結果でした。いずれも前年の変動率から好転しています。
【商業地】地方圏28年ぶりにプラス
地方圏(※)の商業地の上昇率は+0.3%で、平成3年以来28年ぶりのプラスとなりました。地方四市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)の商業地は+10.3%でした。
(※)東京圏・大阪圏・名古屋圏の三大都市圏を除いたもの
【住宅地】マイナス幅が縮小に
住宅地の全国平均はマイナスでしたが、前回よりマイナス幅は縮小しています。低金利による住宅取得の需要が、減少に歯止めをかけていると考えられます。
▼各地点の変動率
【地点別上昇率】1位は北海道
地点別の上昇率トップは、商業地・住宅地ともにスキーリゾート地ニセコ周辺の北海道虻田郡倶知安町に。前年比60%超の地点もあり、注目されています。
【都道府県別上昇率】1位は沖縄県
商業地・住宅地ともに沖縄県がトップに。そのほかは次のとおりです。
なお宮城県・東京都・神奈川県・愛知県は、商業地・住宅地ともに、平成25年調査から7年連続で上昇しています。
▼地方圏の二極化
マイナス評価となった都道府県もあります。観光産業の差などから、今後も地方圏は「上昇」と「停滞」の二極化の傾向が継続すると考えられます。
【相続税への影響】
基準地価等は国税庁から毎年7月に公表される「相続税路線価」の評価に影響します。相続税路線価は一般的に、基準価格や公示価格の80%ほど。基準地価が上がれば、土地の相続税も上がることになります。
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